このたび、「令和6年度 奏楽堂日本歌曲コンクール」にて、入選及び奨励賞を受賞することができました。
このコンクールは、日本歌曲のコンクールとしては最もレベルの高いコンクールとされており、今年で35回を迎えました。
第一次予選には185人、第二次予選には40人、2024年5月26日に旧東京音楽学校奏楽堂で行われた本選には10人が出場しました。
本選に残れば「入選」ということになります。
東京芸術大学をはじめとする音楽大学出身者で、すでに活躍中の若い方々に交じって本選のステージに立てるだけでも満足でしたが、思いがけず奨励賞までいただき、驚いているところです。
ピアノ伴奏だけでなく、これまでに多くの励ましやアドバイスをくださった奥千歌子さんに、心からの感謝を捧げたいと思います。奥さんなしには実現しえなかったことです。
30年ほど前にも入選したことがありますが、その後は、ずっと受けずにいました。あのときも、入選者の中で私が最高齢でした。
再び受けるようになったきっかけは、10年前に亡くなった夫の勧めでした。
「たとえ本選には行けなくてもいいから、受けてみればいいじゃないか。一流の先生方に、年に一度、聴いていただけるチャンスなんだから」。
というわけで、この10年ほど、毎年受けていました。一度だけ一次予選で落ちたことはありましたが、その他は二次予選まで行っていました。
夫が言っていたように、年に一度、審査員の先生方に聴いていただけるチャンスだと思って受けてきました。このことが、普段のステージにも大いにプラスになっていました。
それが、この年齢になって入選するとは、我ながら驚いています。
このことが、私のように中年を過ぎてから声楽を始めた人や、障害によって一歩踏み出すのを躊躇している人たちにとって、何らかのプラスになれば幸いです。
私も、残りの人生を、楽しくそして心を込めて歌っていきたいと思っています。
われ傘寿いま青春の終楽章 靖子